自己中王子の扱い方
「桐竹さんが俺の名前呼ぶまで
俺も名前呼ばないから」
「…ぇ」
「じゃーねー、また寝るから」
な…なんで!?
翼さんは立ち上がって部屋に戻った
…なんで…
パタン、としまる扉の音だけが
むなしく響いた
「…え…?」
意味わかんない…
あたしは翼さんを名前で呼ばなきゃ駄目で
あたしが名前で呼ばない限り
翼さんはあたしを呼んでくれなくて…
「…つ…ば…ッ」
やばいって…
いえないよ…
最初から呼び捨てにしとけばよかった…
「さん」付けなんてするから…
「…さ…」
一呼吸置いて後の言葉が出た…
ねぇ…翼さん…