自己中王子の扱い方



「桐竹さんが俺の名前呼ぶまで





俺も名前呼ばないから」




「…ぇ」




「じゃーねー、また寝るから」






な…なんで!?

翼さんは立ち上がって部屋に戻った

…なんで…





パタン、としまる扉の音だけが

むなしく響いた



「…え…?」



意味わかんない…

あたしは翼さんを名前で呼ばなきゃ駄目で

あたしが名前で呼ばない限り

翼さんはあたしを呼んでくれなくて…




「…つ…ば…ッ」




やばいって…

いえないよ…

最初から呼び捨てにしとけばよかった…

「さん」付けなんてするから…




「…さ…」





一呼吸置いて後の言葉が出た…

ねぇ…翼さん…






< 103 / 179 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop