自己中王子の扱い方


[THUBASA]





「さ…咲姫…ッ」




「つぅ…ばさぁ…」





人ごみの並にもまれて

手だけはつないでいるものの

こっからは咲姫が見えない

あいつ小せぇからなぁー…





「痛ッ…」





咲姫の声が聞こえる

でも姿は確認できない





「つ…翼…ッ」





遠くで咲姫が言うのがわかった

俺の左手が俺のもとに戻ってきた

さっきまでの暖かさが手の中で消えていった






「…お会計させていただきます…」






とにあえず会計を済ませる

咲姫のことだし人の波に押しつぶされそうで

外にでも出たんだろう




…でもあいつは外にいたほうが危険なんだよッ!!




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