自己中王子の扱い方
しゃべってて…翼さんのほうを向いたら…
顔が近いって気付いた…
「…」
やばかった…
「なんでそっち向いてんのー?」
「…」
なんでもだよッ
なんでこんなこと考えてるんだろう…
なんで…こんな…
「…咲姫…」
「や…ッ」
背中に感じる翼さんの温かさ…
「な、なんですか…ッッ」
「…こっち向けって…」
「ぎゃッッ」
…無理やり…翼さんのほうに向けられる
「…ちょっと…」
「なに?」
目の前には…翼さんの顔…
「ち、近くないですか?」
「近くないしょ」
…近いでしょ…
翼さんの赤い髪の毛の毛先が触れてる…
絶対近い…
「なぁ…」
翼さんが口を開いたときだった…
「「ピロロロロロロロロロロロロッッ♪」」
翼さんの携帯が言葉をさえぎる