自己中王子の扱い方

[THUBASA]



「がんッ」




誰かがなにかにぶつけた音が

遠くで聞こえた




「…」




誰かって言ったって

咲姫しかいないんですけどね…




「ぱたん」



静かにドアをしめてリビングまで出た

真っ暗で洗面所の電気だけがもれていた



…多分気つかておこさないように

電気つけなかったんだと思うけど

おきてしまいましたから




「…」




そっとのぞいてみるとなんか

顔洗ってた

なした…?

…しかもなんかきゅうに

いじめたくなったし…




『ぱちん』




電気を消してみた



「ぎゃあッ」



近くで聞こえる叫び声

なんかおもしろくてにやけてくる



「…ふー…」


「ぎゃぁぁぁっぁぁぁぁぁッ!!」



てきとーに息かけたっけ耳にビンゴだったし

ってかまじどっから声だしてんだ…


「…うるせー…」


これ以上いじめるのもあれだったから

電気をつけてやった




「…つ…ぅばささん…?」




「なに泣いてンの?」



泣いてンのってゆうか…

なんで泣いてたの?みたいな?



「なんでここに…」



何言ってんだこいつは…

俺ン家だから

当たり前じゃん




「ぎゃあぁぁッ」



「…うるせー…」



なんかむかついたから咲姫ば抱っこして



「おぉぉぉ…おろしてくださいッ!!」


「やだ」



やばいんだって・・・

まじ動くなや…

すっごい…やばいて…



「…どこに行くんですか…?」


抱えられたまま咲姫が言う

動きはとまった



「…」


こんなのもまた弱虫だからだ

本当の気持ちも聞けないで

気付かないふりして

最低だ…


「…翼さん…?」







「俺の部屋…」







最低なやつだ…



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