自己中王子の扱い方



………………………………







「…え」





何分かたってから

翼さんが口を開いた



…こんなことってある…?

あとからめっちゃ恥ずかしくなってきた




「あ…あのッ!!…すみませんッ



あたし…部屋戻りますねッ」





すっごいここから去りたかった…

すっごい恥ずかしい…

こんなこと初めてだったから

人に告白なんてしたことなかった

本当はいっつもどきどきしてた…



『好きです』



そういうのは台詞みたいなものだって思ってた

でも…やっぱりどきどきしていた

どんどんどんどん言うたびに

気持ちのほうが大きくなって

言葉とかぶっていくの

本当の気持ちを伝えた今、



翼さんがどう思うか怖かったから






「…なんで謝ってんの?」




「…え?」





翼さんの少し低い声が響いた




あたしはもうドアの前にいたけど




…なんで謝ってるのって…

あのですねぇ…



だって…なんかおかしいじゃないですか


あたし、すごい恥ずかしいですよね…



「…ぎし…」



ベットのきしむ音がする




翼さんが立ち上がってくる


…目があう…




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