自己中王子の扱い方
「…咲姫…」
いつもよりゆっくりした落ち着いた声で
目の前で翼さんが呼ぶ
「…翼…さん…」
なんでか名前を呼んだ
翼さん…
「…咲姫…」
ふわッ
びくッ
「…怖い?」
「え?」
翼さんの手があたしの頭にのっかり
突然のことでびっくりしただけ…
怖くなんか…怖くなんか…
「…怖くない…です」
なんでか声が震えた
「…ッ」
翼さんの大きな手があたしの頭をゆっくりなでる
「…ッッ」
あたし、多分すごいどきどきしてる…
すぐ目の前に翼さんがいて
背中には壁
顔があげられない…