政略結婚
「俺が憎い?」


「・・・」


首を横に振る。


憎くないと言えば嘘になる。


叔父の会社が傾いたのも、彼の父親が急病で現役を退いた。


そして、彼がその後を継いだ。


今まで、友情だけでもらっていた仕事はいっさい来なくなった。


当然と言えば当然だ。


経営は急激に悪化し、叔父は金策のために、家にほとんど帰らなくなったのは、ほんの2か月前。


そして、1ヵ月前に、彼がこう切り出したらしい。


『妻の実家になら、融通してもいい』
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