【長編】距離
「愛は、その稜くんが好きなの?」


「私は....」


わからないよ。


かっこいいとは、思うよ。


けど、私には合わない。


「正直にどうなの?」


「たぶん、好きだよ。」


だって、そんな彼に恋しない方が変だよ。


「なら、簡単ね。」


「へっ?」


私は、口を開けてまぬけな顔になった。


「つきあえばいいじゃない。」


なんで?


そんな....


「でも.....」


「何を悩んでるの?」


「彼が私を好きな理由がわからないの。」


なんか泣きそう。


「彼の言葉じゃ足りない?
人を好きになるのに理由が必要?
愛も彼を好きなのに理由があるの?」


「えっ?」


私は、彼が好きなだけ。


理由なんてない。


彼に近づける女の子が羨ましくて。


彼が笑いかける女の子に嫉妬してしまう。


彼に近づける女の子は、私だけでいいのにって。


こんな女の子思考なはずじゃないのに。
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