【長編】距離
涙を流しながら、空を見つめると体が浄化されるようだった。


「なんで、泣いてるんですか?」


「へっ?」


声の方を向くと知らない人。


私は、涙を拭い彼のネクタイの色を確認した。


一年生?


「中畑 朱菜先輩ですよね?」


可愛らしい男の子。


「そうだけど、あなたは?」


「一年の榊 孝知です。」

ニコッと笑顔がかわいい。


榊?


お母さんの旧姓だ。


偶然かな?


「榊くんね。」


私もニコッとした。


「気づいたんじゃねぇーんだ。」


えっ?


なに?


口調が変わった。


「榊くん?」



「俺ね。
榊 七緒と友紀の孫。」


「七緒さんと友紀さんの?」


私は、吃驚した。


てか、初めて会った。


お母さんからは、よく話しは聞くっけ。


「あぁ。」



「って事は、修と仲いいんだ。」


修とは、ハルくんの子供。

たしか、ハルくんが言ってた。


修とは、最近話をしてないから。


隣の家に住んでるし、同じ学校なのに。


なんでかな?
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