【長編】距離
「修の本当の両親と祖父母は、事故で亡くなった。」


ハルくんは、辛そうに話した。


「なんで、俺はここにいるの?」


「修のおじいちゃんの遺言よ。
それだけじゃあ、私たちは、修を引き取るか迷ったわ。
遺言の通りなら、孝知と一緒に暮らしても同じだから。」


遺言?


なにがあったの?


私は、全然ついていけなかった。


ただ、私は修に想いを告げてもいいんだよね。


そんな邪な想いがでてくる。


「遺言って?」


修がお母さんに聞いた。


「修、明日、私と孝知の家に行きましょう。」


「えっ?」


「修には、詳しく話したいから。」


お母さんは、修だけをしっかり見て言った。


「じゃあ、なんで今日集まったの?」


私は、お母さんに聞いた。


だって、結局は修が知ればいいことだから。


「一つだけ、私とお父さんと陽生しか知らないことがあるから。」


「なんだよ、それ。」


ソウくんが割り込んできた。
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