【長編】距離
気持ちをセーブしてたのもなんとなくわかったし。


その理由だけは、思い出したんだ。


何気なく同級生に言われた言葉。


ただ相談とか言うよりは、聞いて欲しかっただけだろうな。


私は、今でも覚えてる。


『私のお姉ちゃんね。
叔父さんを好きになったんだけどね。
叔父さんって言っても、お姉ちゃんと5歳しか離れてないし、私とだって8歳しか離れてないんだけどね。
結婚できないんだって。
お姉ちゃんが言ってた。
それを知ってるのに止められない気持ちってのが怖いって。』


ショックを受けたのを覚えている。


だって、私と修に置き換えてみたら、ダメなんだって気づいたから。


昔は、無邪気に気持ちを言えてた頃。


現実を知った後は、言葉なんて意味なかった。


たしか、その頃かな?


私が修と距離を置き始めたのは。


私が中学生になった頃だったから、そんな違和感はなかったけど。


辛い想いをしたくなかったから。


だから、誰でもいいからつきあったんだ。


修以外なら同じだから。


結局は、修を忘れるなんて無理だったけど。
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