【長編】距離
「けど、周りを気にできる子でよかったよな。」


雄一は、安心しているようだ。


「なんで?」


私的には、形振り構わずってのがいい気がする。


「実際はさ。
叔母と甥じゃないからいいけどさ。
本当に、叔母と甥だったらどうよ。」


そういう事か。


「そりゃあね。
けど、やっぱり修は、三緑さんの孫だから....」


「俺さ。
密かにずっと思ってたのが現実になったって感じだよ。」


雄一は、苦笑いだった。


「なにが?」


私には、さっぱりわからなかった。


「俺が柚希を手に入れたからさ。
三緑さんの子供とか孫たちが俺と柚希の子供とか孫たちと結婚とかするんじゃないかってな。」


もしかして、私って三緑さんに本当に愛されてた?



てか、だから、雄一は覚悟できてたの?


「雄一って、スゴい。」



「リアルには、なって欲しくなかったけどな。」


ちょっと落ち込んでるし。


「けど、朱菜と修の問題は別よね。」


「あぁ。」


私と雄一はって言うより、みんな願ってるんだ。


修が幸せになることを。


願わずにはいられないほど修を大切に見守ってきたんだから。
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