【長編】距離
「朱菜は、どっかに....」


「知らないわよ。
聞いてないし。
だけどね。
たぶん、大学は一人暮らしよ。
この前、大学のパンフレットがあってね。
家からじゃあ、2時間以上かかりそうだから。」


2時間?


それなら、一人暮らしだな。


いつも学校は、徒歩で行けるとこにしか朱菜は、通ってないから。


いきなり2時間は、きついな。


「反対しないわけ?」


「えっ?
なにに?」


ばあちゃんってこんな時、鈍いんだよな。


「一人暮らしにさ。」


「反対するわけないじゃない。
高校卒業したら、大人よ。
陽生だって、結婚そんぐらいだったし。」


ばあちゃんって、自由主義だった。


けど、じいちゃんは?


「修、雄一に期待しても無駄よ。
私には、勝てないからね。」


そうだった。


じいちゃんがどんなに反対してもばあちゃんが見方じゃあ、どうにもならない。


やっぱ、朱菜を俺のものにするしかないのか?
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