【長編】距離
修へ


この手紙を修が読む頃には、パパとママやおじいちゃん、おばあちゃんがもういない時ですよね。


今、何歳になっているのかな?


そう考えると、成長するあなたを育てられない悔しさがあります。


ごめんなさい。


謝っても謝りきれません。


どうして、こうなったとか理由は、言えません。


私たちで全てを終わらせるためです。


修を独りにしてしまった事で幸せになれるかが不安でしたが、手放しました。


ここで一緒に死を待つより、新たな場所で幸せになって欲しいからです。


おじいちゃんは、そのために実家に修を預けたのです。


唯一、安心している事があります。


『修の将来の相手を見た。』


おじいちゃんが誇らしげにいいながら、写真を見せてくれました。


修と女の子が仲良さげに手を繋ぎながら寝ている姿の写真。


ホッとしました。


そして、修は幸せになれると思いました。


どうか、修。


幸せになって。


パパ、ママ、おじいちゃん、おばあちゃんは、いつも修の幸せを願ってます。



ママより
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