【長編】距離

朱菜 side

『もしもし、朱菜。』


「もっしも〜し。」


「朱菜、どうしたの?」


普段と違う私のテンション。


ちょっと引き気味みたい。


「今日、一人でさ。
なんとなく、心と話したいなって。」


やっぱり、一番の友達の心と話したいじゃん。


『そう。
でも、よかった。
いろいろ聞きたくて。』


「へっ?
私のが聞きたいし。」


『今から行ってもいい?』


珍しく行動的な心。


「うん。
いいよ〜。」


まだ、お昼だしね。


ゆっくり話せる。


『じゃあ、今から行くね?』


「うん。
後でね。」


私から電話掛けたのに。


結局は、心が来ることに。


いいのかな?


てか、心が来たら、夕食の支度が大変じゃない?


心は、家に来るまで1時間くらいだったよね。


よしっ。


今日は、クリームシチューだから作り始めちゃおう。


私は、早速キッチンに行き下拵えを始めた。
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