【長編】距離
「私は、心の事、聞きたいんだけど。」


「私?
まだ、進展ないから....」


そうだよね。


昨日、聞いたんだから。


「けど、どうする気?」


「頑張るよ。
昨日も話せたんだよ。
朱菜のごたごたのおかげで。」


心は、苦笑い。


「あぁ〜。
修の事で?」


「うん。
女ってめんどくさいって.....
しばらくは、いいかなって.....」


心.....



「それは、昨日のごたごたのせいでね。
別に彼女がいらないとかじゃないはずよ。」


「けどね。
頑張るんだけど、気が引けちゃったの。」


心は、ため息をついた。


「けどさ。
障害はないじゃない。」


押し押しで行けば漣斗はいいかもしれないし。


だって、いつも漣斗は、受け身の子としかつきあったことないから。


見た目従順な心が、積極的になったら、コロッと行きそう。


「障害?
もう少し、様子見だよね。
朱菜を通して以外は、話してなかったから。」


「まずは、私に関係なく普通の会話だね。」


「うん。」


心の顔は、恋する乙女だった。


淡く頬を赤く染めて。
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