【長編】距離
「修は、甥っ子じゃなかったの。」


やっと言える。


「だから、私に話してくれたの?」


「うん。」


私は、嬉しかった。


秘密な想いだったから。


「朱菜、辛かったんだね。」


「でも、私忘れてたの。
きっと、修への想いをないものにしたかったのかもしれない。」


修と久々に話をしたから。


「朱菜の顔が.....」


心が笑ってる。


「なに?」


私には、わからなかった。


「女の子って顔になってる。
顔は、いいのに結構無表情だからね。
朱菜は。」


褒めてんだか、貶してんだか。


「とりあえず、ありがとう。」


「なんか、楽しいね。」


「そうだね。」


心とこんな腹わって話したの初めてだからね。


「仲はいいけど、深いことを聞かないようにしてたもんね。」


「そうだね。
たぶん、自分から言わないからね。」


「今日からは、もっと親友だよね。」


私たちは、笑い合った。
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