【長編】距離
「で、告白は?」


「するよ。」


私は、満面の笑みで心を見た。


「はじめて?」


「うん。
自分からはね。
今は、修は自分の事があるから、その後ね。」


「私も頑張ろう。
朱菜に負けてらんないかも。」


心は、変な闘争心を燃やした。


「私さ。
漣斗は、無意識に心が気になってるよ。」


「ま、まさか〜」


心は、慌てて否定する。


「漣斗ってさ。
人に相談とかしないんだよ。」


蛍から、聞いたことがある。


自分の事は、自分で決めるし。


意見を聞かないから。


「じゃあ、ちょっとは脈ありって思うね。」


心は、嬉しそうだった。


「頑張りなよ。
私、心の恋バナって聞いたことなかったし。」


「朱菜と知り合ってからは、初めての恋だよ。」


「そうなんだ。」


「だから、朱菜が羨ましかったかな?
朱菜が相手を好きかは別として、朱菜はきれいになっていったから。」
< 161 / 296 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop