【長編】距離
「あのな。
高校生になったら、恥ずかしさの方が先行するわけ。
それなのに、無邪気にそんなん出来るってのはさ。
好意があるからだよ。」


客観的に見たらそうなのか。


少しは、自信もっていいのかな?


「まあ、一回フられても諦めないし。
ずっと、朱菜だけを好きだったんだから。」


「仮に朱菜にフられても、男してちゃんと意識はしてもらえるだろうしな。」


そう。


フられても悪いことばかりじゃない。


朱菜にわかってもらいたいんだ。


俺は、男だって。


まだ、告ってもないからわからないけどさ。


前に進むためにまずは、告白から。


うまくいっても、フられても希望の光だから。


「俺にしたら、告白しても悪いことには、ならないんだよ。」


「おまえぐらいだろうな。
そんな考え出来るの。」


孝知は、俺を鼻で笑った。


「バカにすんなよ。」


「してねぇーから。
羨ましいなって思っただけだから。」
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