【長編】距離
「同じクラスの渡邉 美由だろ。」


孝知は、呆れていた。


「朱菜以外興味ないから。」


「それは、知ってる。」


「てか、なんでその子?」


物珍しい子では、ある。


けど、奇声を発するって事はさ。



孝知を嫌いなんじゃないのか?



「俺が少し優しくするだけで走って逃げるんだよ。
最初は、イライラしたけどさ。
なんか気になってきたわけよ。
それに、あの子ぐらいだから。
俺に奇声を発したり、逃げるの。」


またもや不適な笑み?


てか、ニヤケてる?


興味本位もあるわけだよな?



てか、孝知は選び放題だろ?


モテてんだから。


やっぱそんなんじゃなくて、変わった奴が気になるわけね。


「てか、基本的に孝知は誰にでも優しいだろ?」


俺とは、逆で愛想がいいから。


「俺は、渡邉には特にやってるよ。
嫌がらせと言わんばかりに。」


なんとなくわかる。


ただ、気づかなかったのは、俺が朱菜しか見てないからだろうし。
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