【長編】距離
「修、朱菜に優しくしろよ。」


「無理だ。
冷たくしないと感情が溢れ出そうで。」


気持ちにセーブがきかない。


怖いんだ。


タガがはずれたら、朱菜をもっと傷つけてしまうから。


少しでも朱菜から離れなければいけないんだ。


「じゃあ、嫌われてもいいのか?
さっきの修の
『ウンザリだ』
に傷ついてたぞ。」


わかってる。


わかってるんだ。


朱菜は、昔と変わらずに俺と接してるって。


けど、変わってしまったんだ。


朱菜の笑い顔にトキメいたり。


朱菜の悲しみを救いたかったり。


俺の朱菜への感情が変わってしまったんだ。


どうして。


どうして。


朱菜、なんだろう。


俺は、朱菜しか愛せない。

それだけは、自信を持って言える。


てか、一生変わりたくない気持ちだ。
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