【長編】距離

朱菜 side

「朱菜、もう3時間目だぞ。」


「戒。
あんたも転校初日でサボリはないから。」


なんか普通にしゃべれるかも。


「女がウザい。」


「いつもじゃん。」


私は、クスクス笑う。


「それでも気持ちは変わらないよ。」


「はっ?」


私は、戒の話す意図がわからず戒を見つめてしまった。


「どんなに女が周りにいても朱菜を思う気持ちは、どこにいても変わらなかった。」


「冗談やめてよ。」


「なんで、
『距離、置こう』
って言ったかわかる?」


「言いづらかっただけでしょ?」


それしか理由ないじゃん。


「それもある。
けどな。
また、俺が戻ってきたらやり直したいって意味があったから。」


やり直す?


あれって、別れの言葉でしょ?


違うの?


信じらんないよ。


また、私を裏切るんでしょ?


やめて。


やめてよ。


なんで、こんなに混乱するんだろう。


いろいろなことが、一変に起こりすぎて。


頭がついていかない。


なにを優先的にしたら、いいとかわからない。
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