【長編】距離
私たちは、近くの喫茶店に入った。


「まず、私、中畑 朱菜っていいます。
で、彼は、中畑 修。」


私と修の自己紹介をした。


「俺は、榊 亮。」


「私、有賀 美弥です。」

私に続くように自己紹介をしてくれた。


「もしかしてですけど、修と亮さんは兄弟ですよね?」


「はっ?
朱菜、意味がわかんねぇー。」


修は、動揺していた。


「だって、三緑さんがおじいちゃんなんだよ。」


「けど.....」


「俺、5歳の時に施設に預けられたんだ。
そん時から持ってる写真があってさ。」


亮さんは、写真を見せてくれた。


「これ....」


家族写真だった。


修は、食いつくように写真を見た。


私は、顔を知らないからちゃんとは見なかった。


「だから、声かけた。
てか、俺の存在知らなかったわけ?」


亮さんは、修を恨んでるみたい。


その理由は、わかる。


「俺は.....」


修は、なにを言っていいかわからないみたい。


たぶん、まだ整理がついてないのにまたもや面倒な事になったから。
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