【長編】距離
「亮さん。
修の実の祖父母と両親は、小さい頃に亡くなりました。」


私は、修の代わりに答えた。


「亡くなった?」



「はい。
事故みたいで。
つい先日まで、修は、私の兄の子として何も知らずに過ごしてきました。」


けど、不思議。


誰も修に兄がいるなんて話題にあがらなかったから。


どうして?


「じゃあ....」


「なぜ、あなたが施設に預けられたとかの経緯はわかりません。」


「これから、暇ですか?」

修が亮さんに聞いた。


「修?」


「ばあちゃんに....」


「あぁ。
お母さんね。」


私は、携帯を取り出し、お母さんに電話をした。


『朱菜?
どうかしたの?』


お母さんの声、めっちゃ不思議そう。


そうよね。


修とデートって知ってるからね。


「お母さん、家よね?」


「うん。
お父さんも一緒よ。
後、陽生と湊司も。」







なぜに?


まさか.....
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