【長編】距離

孝知 side

「じいちゃん。」


「孝知、なんだ?」


「やっぱり、終わりなのか?」


「リミットは、俺が60歳の誕生日を迎えるまでだ。
しかしな、無理なんだ。
現時点で、いないんじゃな。
成人を迎えるか、結婚してなきゃならんから....」


「そうなんだ....
どうして、俺じゃないんだろう。」


俺は、じいちゃんから話を聞いたときから、悔やんでいた。


唯一の男の俺が、跡を継ぐもんだと思っていた。


けど、その資格がないなんて。


「それなりにわかっていたんだ。」


じいちゃんは、俺の頭を撫でた。


じいちゃんも辛そうだった。


後、何年かしたらここを更地にしなきゃならない。


それが、決まり。


どうにかならないのか?


どうにかしてやりたい。


話を聞いてから、ずっと思っていた。
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