【長編】距離
「俺、てっきり修だけが幸せに暮らしてると思ってたから....」


亮くんは、申し訳なさそうだ。


「それは、仕方ないわ。
とりあえず、あなたに痣があることが問題なのよ。
聞きたいことは、それからお願いね。」


「わかりました。」


「ごめんなさいね。
けどね。
あなたに痣があることは、榊家には、一大事なのよ。」


私は、それだけを言うと電話をかけに言った。


私は、興奮と動揺が入り交じっていた。


榊家の問題に希望の光が見えたから。


奇跡なのかしら。


願わずにいられなかった。


苦労を知っていたから。


よかった。


本当によかった。


ななくんと友紀。


もう苦しまなくていいんだよ。


亮くんがどう選択するかはわからない。


けど、諦める必要はなくなったんだから。
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