【長編】距離
「今は、美弥....彼女が妊娠したんで籍をいれて結婚してます。
ボロくて安いアパートにギリギリの生活ですけどね。」


「ふ〜ん。
仕事は?」


おじさん、面接官っぽい。


まあ、会社では人事関係を任されてるって言ってたっけ?


「バイトの掛け持ちです。」


「定職につく気は?」


「ありますけど、この不況だから.....」


おじさんは、何かを考えてるみたいだ。


「君に相談なんだけどさ。
跡を継ぐとかを抜きにうちの会社で働かないか?
それで徐々に考えていけばいいさ。
一応、親戚関係にあるとはいえ、初対面だろ?
お互いを知ってから考えればよくないか?」


「そんな簡単に雇うとか....」


亮は、困ってるみたいだ。


まあ、俺が亮でもそうかな?


「まあ、最低限の入社試験は、受けて貰うけどさ。
子供と彼女のためにがんばってるみたいだからさ。」


おじさんのアイデアに俺らは頷いて聞いてた。



結果的にナイスアイデアだ。
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