【長編】距離

朱菜 side

「朱菜、どこ行ってたの?」


不安そうに心が聞いてきた。


「屋上だよ。」


私は、心に微笑んだ。


心は、ホッとしたみたいだ。


別に、心に怒ったりしてないのに。


わかってないな。


「心には、関係ないから気にしないで。」


「う、うん。」


「心は、意見を言ったまででしょ?」


「けど....」


「いずれ終わる恋だったから、いいの。」


それは、確実に言える。


漣斗は、よくわかんない。


ただ、どうしてもやり直す気にはなれない。


それなりにみんなから、お似合いと言われてきたのに。


なぜかな?


わかんないや。


ただ、わかるのは、友達として好きだった。


これだけだ。


漣斗には、謝らなきゃいけない。


たぶん、気づいてたと思うけど。


つきあってた時は、いつもそばにいてくれたから。


私って、誰が好きなんだろう。


わかんなくなる。


たぶん、初恋もまだな気がする。


戒は、秘密というスパイスがあったから。


錯覚してたんだと思う。
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