【長編】距離
「朱菜ってさ。
噂、たくさんあるよな。」


俺は、呟くように言った。


「噂?」


朱菜は、なにを言ってるかわからないみたいだ。


「あぁ。」


「.....。
でも、大概嘘だよ。」


朱菜は、何かを考えて何かを思い出したようだ。


「ふ〜ん。
恋多き朱菜先輩か.....」


「あぁ〜、それ。」


朱菜は、めっちゃ笑い出した。


「なんで、笑うわけ?」


「その噂ってさ。
指輪がどうこうってやつでしょ?
だから、指輪ね。」


朱菜は、俺が指輪を買った理由がわかったみたいだ。


なんか納得してるし。


「朱菜、本当なのか?」


本当は、確かめる気なんてなかった。


「半分本当で、半分嘘かな?」



朱菜は、楽しそうだ。


「はっ?」


俺は、めっちゃモヤモヤしてるし。
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