【長編】距離
「朱菜、一緒に帰れる?」


「ごめん。
今日、用があるんだ。」


私は、心の誘いを断った。


修のとこに行かなきゃいけないから。


「そ、そうなんだ。」


心は、やっぱり責任を感じてるんだ。


私の真意を聞きたいみたい。


「うん。
甥っ子の迎えに行かなきゃいけないの。」


ある意味、間違ってないよね。


保健室に修を迎えに行くんだから。


「甥っ子?」


心は、目を丸くした。


「うん。
体調が悪いみたいなんだけど、迎えにまだこれないからって。」


「じゃあ、仕方ないね。」

「明日は、一緒に帰ろうね。」


「うん。
じゃあね。」


「バイバイ。」


私は、心と明日の約束をした。


心は、安心して帰って行った。


本音で話さなければ、心は納得しないし、責任を感じたままだろう。


仕方ないけど、話しますか。


めんどくさい。


だから、あまり人とは仲良くならないように距離を置いてるのに。


唯一の友達だからいいんだけどね。
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