【長編】距離
「あっ。
ミナミちゃんからだ。」


携帯のバイブの音に気づき、携帯の液晶を見た。


「もっしもーし」


私は、元気よく電話出た。


『朱菜、着いたよ。
だから、修、連れてきて。』


すぐでよかった。


けど、まだ下校時間のタイミングなんだけど。


仕方ないか。


甥っ子のためだ。


「うん。
わかった〜。」


すぐに電話を切った。


「おばさん、来たの?」


電話を切ると孝知が、すぐに話しかけてきた。


「うん。
修、起こして帰るね。
孝知、ありがとうね。」


お礼は、欠かさない。


「いや、別に。
じゃあ、俺行くね?」


孝知は、保健室から出て行こうとした。


「うん。
甥っ子がお世話になります。」


笑顔で言う私に孝知は、微妙な顔をした。


孝知は、保健室のドアから手を放して、ため息をついた。


「孝知、なんかした?」


私は、首を傾げた。


「うん、いや。
じゃあね。」


孝知は、すぐに普段通りに戻り保健室からいなくなった。
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