【長編】距離
「修?」


私は、ベッドとの仕切りのカーテン越しに名前を呼んだ。


甥とはいえ、年が近い男の子だから。


なんとなく近寄りがたい。


どうしてだろう?


てか、返事が聞こえない。


まだ、寝てるんだ。


私は、小さくため息をついてカーテンをあけた。


修は、すぅーすぅーと安心しきった表情で寝ていた。


心地よさそうに寝ているのを悪いけど、起こさなきゃ。


「修、起きて?
ミナミちゃん来たよ。」


私は、修を揺さぶり起こそうとした。


しばらくすると、修の目がパチッと開いた。


「修、起きた?」


「......。」


私の問いかけにぼけっとしてる修。


「修、帰るよ。」


そう言って、さっきまで揺さぶり起こそうとおいてた手を修からはなそうとした。


「朱菜。」


私の名前を呼び、手を無理矢理引っ張った。


私は、いきなりのことに体制を崩し修の胸に飛び込むかたちになった。


なにが起きてるの?


「修?」


私は、修の名前を呼んだ。


修は、そんな私におかまいなしに突然キスをした。


寝ぼけてる?


なんで?
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