【長編】距離

修 side

「修?」


気のせいだろうか?


愛しい人が俺を呼ぶ声が聞こえる。


心地いい。


「修、起きて?
ミナミちゃん来たよ。」


さっきより、近くに聞こえる声。


母さんが来た?


なんで?


意味がわかんね。


夢だろ?


そう思いながら目を開けた。


「修、起きた?」


「......。」


俺は、現状を理解できなかった。


朱菜の言ってることがわからない。


「修、帰るよ。」


朱菜は、そう言って、おいてた手を俺からはなそうとした。


「朱菜。」


俺は、夢ならばと思い、朱菜の名前を呼び、手を無理矢理引っ張った。


朱菜は、いきなりのことに体制を崩し俺の胸に飛び込むかたちになった。


幸せだ。


なんかリアルっぽいけど。


朱菜が俺の胸の中にいる。


「修?」


朱菜は、俺の名前を呼んだ。


俺は、そんな朱菜にたまらずキスをした。


愛してるという思いを込めながら。
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