【長編】距離
「ごめんなさい。」


心が泣きながら謝ってきた。


「心?」



私は、首を傾げた。


「私が....
私が、悪いの。」


言ってる意味がわかんない。


「心、わかるように言って。」


「俺が心ちゃんに聞いたんだ。
どうしたら、朱菜の気持ちがわかるのかなって。」



漣斗が口を挟むように言ってきた。


心が謝る理由がわかった。


だから、青ざめたんだ。


「朱菜、みんなそうだったの。」


心は、すごく申し訳なさそうだ。


でも、心は自分の意見を言っただけ。


別に心が悪いわけじゃない。


結局は、言った本人なんだから。


「私、知ってたよ。
そう言う理由....ってのは。
でもね。
私、駆け引きする人嫌いなだから。」


私は、みんなの前から立ち去った。
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