【長編】距離
「わかってるよ。
けど....」


「きっかけでしょ?」


俺は、頷いた。


2人は、気づかれてないと思ってる。


これを話すことによって傷つける可能性もある。


「私から話すわ。」


「ごめん。
お願いするよ。」


俺は、うまく言えないから。


けど、母さんなら。


「修の幸せを願っているからね。」


「あぁ。
てか、修と朱菜だろ。
修が、朱菜と幸せになってくれれば.....」


「悲しみも減ってくれるはずよね。」


俺と母さんは、辛かった。

ここに、俺と母さんだけの秘密がある。


あの日、見た光景があるから、秘密にしてきたこと。


みなみも知らない。


ただ、そうだったという証拠をなくすため。


俺と母さんが決めたこと。


勝手にしたことだ。


みなみが、抱える必要はないから。


ごめんな。


あの時は、修のために必死だったから。
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