【長編】距離
「そうだ。
陽生、後で朱菜の様子見てね。」


「なんで?」


「あの子、泣いてたから。」


母さんは、ため息をついた。


「泣いてた?」


「うん。
しかもね....
呟くように修の名前を呼んでたわ。」


本当にもう。


「朱菜もなんかあったんだな。」


これで、修の道も切り開けた。


「可哀想よね。
今の現状じゃあ、叔母と甥だからね。」


「現実にそうだったら、もっと悲惨だったよ。」


俺は、苦笑いだった。


「そうね。
けど、現実は違うからよかったわ。
早く本当のことを教えなきゃね。」


願わくば、修が朱菜の婿になること。


これで、本当の家族になれる。


息子じゃなくて弟か。


変な感じだけどいいか。


修がここから去るより。
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