【長編】距離

綾 side

「取り乱して、ごめん。」

私は、雪と中庭に来た。


「いいよ。
綾は、修くん好きだからね。」


雪の優しさにホッとする。


「うん。
大好き。」


だって、初めてだったから。


大体の男は、私がブリッコを演じてもかわいいとかもてはやしてくれた。


たまに、騙されすぎとか呆れたけどね。


修くんは、そんな私に苛々してたんだ。


私に興味がない男をはじめてみた。


こんな男もいるんだって思った。


てか、私、自意識過剰じゃないからね。


それが、当たり前だったから。


てか、それを境に、修くんを目で追うようになった。


基本的にクールビューティー。


だから、1年のダブルイケメンとか言われてる。


けど、ショックだった。


今日の修くんは、笑ってたり、顔を赤くしたり、感情が豊かだった。


信じられなかった。


しかも、手なんか繋いで。


あり得ないから。


それで、つき合ってないって、なに?


それなら、朱菜ちゃんの位置が私は欲しかった。
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