【長編】距離
「ごめん。
ちょっと意地悪言った。
朱菜ちゃんは、私が後悔だけしないように応援してくれただけだよ。
朱菜ちゃんは、何も言ってないよ。」


綾先輩は、泣きそうだった。


「別にわかってます。
俺と朱菜には、越えられない壁があるから。」


俺は、それだけ言って空き教室から出た。


朱菜は、知ってるのか....


朱菜は、何を思った?


朱菜は、動揺しなかった?


聞きたいけど、聞けない。


ちょっと、ちょっとだけ嫌だった。


朱菜は、俺に興味がないような言い方。


わかってる。


わかってるよ。


俺と朱菜が、甥と叔母だからだって。


けど、やっぱ辛いな。


朱菜、俺を好きになってくれないかな?


誰にも祝福されなくてもいい。


俺が朱菜を全力で守るから。


俺を好きになって。
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