【長編】距離

修 side

これは、脈あり?


「俺といるのつまらない?」


俺は、寂しそうに朱菜を見たんだ。


てか、実際寂しかったんだけど。


寂しいより悲しいが大きいかな?


「ち、違うよ。」



慌てて否定してくれたのが、かなり嬉しい。


なんかさ。


俺に嫌われたくないみたいなさ。


そう思わない?


てか、気のせいかな?


段々、朱菜の顔が赤い気がするんだけど。


それは、俺がさせたんだよね。


朱菜が俺を意識してるから顔を赤くしたんだよね。


聞きたいけど、聞けない。


こうやって、2人でいれるのは嬉しい。


ただ、距離をスゴく感じるんだ。


どんなに俺が朱菜を好きでも、甥と叔母の関係だから。


見えない壁があるんだ。


それは、すごくすごく見えないのに分厚い壁で。


ちょっとやそっとでぶち破れない壁なんだ。


どうか、その壁がなくなりますように。


いつもいつも願ってしまう。
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