【長編】距離

修 side

俺は、朱菜の家の前でわかれた。


俺の家は、すぐ隣なんだけどね。


『また、後でな』


朱菜に言ったんだ。


なんか、つき合ってるみたいじゃない?



そう感じるのは、俺だけか?


でもさ。


家に帰ってから会うんだぜ。


てか、今回の場合は、全く関係ないけど。


それが、切ないかな?


けど、今日も昨日みたいに一緒にいれるって事だろ?


俺は、それだけで満足かな?


会話がなくても同じ空間にいれるってのが。


それが、嬉しいってのもある。


少しでも一緒にいなかった距離を埋めたい。


どんなに甥と叔母でも会おうとしないと会えないから。


年間行事のお正月とお盆。


それ以外は、隣に住んでても会う機会なんてない。


まあ、夕食をたまに一緒するんだけど。


てか、それでも頻繁にはない。


まあ、好きという感情が一切なければよかったんだけど。


ずっと、朱菜を好きだったから、辛いし、切ない。


たまに無性に会いたくなるんだ。


隣だから、行けばいいのに行けなくて。


はぁ。


情けなさ過ぎだよな。
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