傘、貸しましょうか?【短編集】
わっか
「まだ心の準備出来てないって!」
俺は女の子に一生懸命に言いました。
全部話したつもりだったんだけど…
「だからなおさら行かないと。」
女の子はそう言って俺の手を引っ張ります。
女の子いわく「謝らないと!」だそうです。
本当に全部話したつもりなんだけどな…。
そしてついに駄菓子屋の前、
「すみませ~ん」
女の子が大声で店の人を呼びます。
「ハイハイ、お待たせ。また来てくれたんだ。」
緊張していた俺は女の人が出てきたので心底ほっとしました。