スイート*ハート~絆のラブリーDAYS~
決心
高校3年になった春
夕食後
リビングで まったりファッション誌を読んでた
足元には忠犬 藤公が寝てる
お母さんが
お風呂から上がってきて
髪を拭きながら
「絆も早くお風呂入ってね」
お母さんがソファーに座るのを横目でみながら
「はーい」と返事をする
今日 お父さんは付き合いで
帰りは遅くなるそうだ
テレビのチャンネルを
適当に変えながら
お母さんが何気なく言った
「絆、あなた
付き合ってる人いないの?」
私は驚いて
「なによー、急に」
「ん~。だって
もう高3でしょう?
あなた一度も男の子を
家に連れて来ないし
かと言って
デートしてる風でもないし
うちの娘はモテないのかと
お母さん心配なのよ
それに、彼がいるなら
隠さずに付き合って欲しいし」
話していくにつれ、
お母さんの口調は真剣になる
私は昔からお母さんに
隠し事は出来ない
驚かすのを承知で
正直に話そうと思った
もう本当に進路も決定しなきゃいけないし
「お母さん」
私は雑誌を閉じて床に正座した
「な、なに?絆」
お母さんが少しギョッとする
「冷静に
私の話を聞いてくれる?」