*ハナコイ*
そっと髪からバラの花びらをとると、ゆっくりロゼアの目が開いた。
「こんなものを頭につけるくらいだもの、バラが嫌いなわけないよね」
わざと意地悪っぽく言うと、ロゼアの顔がまた真っ赤に染まった。
本当素直だなぁ。
俺は彼女に花びらを渡すと、部屋に帰ろうと背を向けた。
そしたら…
「明日の夜、またここで待っててもいいですか?」
俺はびっくりして思わず振り返ってしまった。
相変わらず真っ赤な顔で泣きそうな顔をしてこっちを見るロゼア。
おいおい…その顔は反則でしょ…
気がつくと俺はにっこりと微笑んでいた。
それ以上何も言ったわけじゃないけど、ロゼアが
「待ってますッ!」
って言ってたから伝わったよね?
こんな感じで、月明かりの綺麗な夜に、俺はロゼアと出会ったんだ…