*ハナコイ*
そう言ってこっちを見た王子様。
ニッコリと、私の大好きな笑顔を向けて…
「あ、いえ…何でも…」
気のせいかな…
そんな事を考えていると、「今夜も月が綺麗だねぇ」なんて言いながら私の隣に腰を下ろす王子様。
そんな王子様に、私の心臓はまた高鳴った。
「ねえロゼア…俺ね…結婚するんだ」
私は自分の耳を疑った。
けっこんってあの結婚…?
王子様…結婚しちゃうの?
そんな私に構わず王子様は話続けた。
「俺も成人した事だし、いい加減妃を娶って王位を継いでほしいらしい…」
そう言うと王子様は両腕を後ろにつくと「はぁ」とため息をつきながら空を見上げた。
王子様、何だか…
「王子様…結婚、嫌なんですか?」
私がそう言うと王子様はゆっくりこっちを向いて寂しそうに微笑んだ。