*ハナコイ*
*4日目*
――――――
瞼が重い…
昨日泣きすぎたせいか目が腫れていた。
さすがにあれだけ泣けばこうなるよね…
鏡に映る自分の顔を見てふふっと笑うと、私は服を着替え始めた。
今日もまた使用人としての1日が始まる。
少し前までは人間でいられるのがあんなに楽しかったのに…
今は早くバラに戻りたい、そんな事を思ってばかり。
ちょっとだけ自分の両頬を叩いて気合いをいれて、私はいつも通り仕事に取りかかった。
そんな時。使用人たちがざわつき始めた。
何事かと思ってみんなの方を見たら向こうから王子様が歩いてきていた。
私が大好きなあの笑顔を向けているのは、隣国のお姫様…
ふたり並んでお散歩かな…
王子様とお姫様はやっぱりお似合いで、なんだか私は自分が惨めになっちゃって…
使用人は廊下の端により頭を下げる。
もちろん私も…