*ハナコイ*
ゆっくりと花壇の前にしゃがみ、いつものように優しくバラに触れる王子様。
「綺麗だ…」
私はずっと見てきたの。
あなたの事を…ずっと、ずっと。
優しく触れるその指も、語りかけるその声も、眩しいくらいの、その笑顔も…
「俺も…花になりたい…」
苦しいくらいに好き…
「私…あなたが好きです」
突然の告白に驚いた顔でこっちを見上げる王子様。
「あなたの事をずっと見てた…ずっと、ずっと…」
涙が溢れて止まらなかったけど、私は王子様に話続けた。
「王子様の…ヒック…笑顔が大好きっ…バラに向かって微笑む顔が…」
そして私は…
「だって私は…バラだから…」
すべてを…話した…