*ハナコイ*
――――――
今…なんて…?
目の前で泣きながら話すロゼア。
初めは彼女の告白に驚いた。
まさか…ロゼアが俺を…
「王子様と…ヒック、お話したくて…ヒック…人間に変えてもらったんです…」
でも何よりも驚いたのは…
「私は本当は庭に咲いてたバラなんですッ!」
「…バラ?君が…?」
ロゼアが自分はバラだって言った事。
俺が聞き返そうと立ち上がると、ロゼアはじっと俺の目を見て言った。
「王子様…ご結婚、おめでとうございます」
俺は何も言えなかった。
ロゼアはくるりと背を向けると、パタパタと走って城へ戻って行った。
「ロゼア…」
追いかけようと思ったけど、今の俺にはどうしたらいいかわからなかった。