*ハナコイ*
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いよいよ明日。私はバラに戻るのね…
一日の仕事を終え、ロゼアは再び中庭へ来ていた。
赤と白のバラが咲き乱れる花壇を眺めながら、ロゼアは今日までの日々を思い出していた。
一日目はただ王子様と話せただけで嬉しくて、嬉しくて…
人間になれてよかったぁって、そんな事しか思わなかった。
けれど、王子様には婚約者がいたんだったわ。
美しくて、とてもいい人そうなお姫様。
私なんかがかないっこないのに、私はお姫様にやきもちをやいてた…
そんな気持ちに耐えられなくて…早くバラに戻りたい、何度もそう思ったの。
でもね…
王子様の笑顔を見ると、やっぱり少しでも一緒にいたいって思っちゃうんだ。