*ハナコイ*
*7日目*
――――――
「お久しぶりです、セルジュ様」
そう言って優雅にお辞儀をする姫。
俺はそんな姫の手を取り、甲にそっとキスをした。
姫は今日から俺の正式な婚約者として一緒に城で暮らす。
自分で言うのもあれだけど、美しくて優雅な姫君と俺の婚約は誰が見てもうらやましい限りだと思う。
あの日の夜。
ロゼアに会えなかった夜。俺は自分の気持ちを心の奥底にしまい込んだ。
俺が愛してるのは、愛さなきゃいけないのは…
「セルジュ様…?」
「何でもないよ」
隣にいる彼女。
立ち止まる俺に不安そうな態度を見せる姫に優しく微笑むと、俺はちゅっとキスをした。
「さぁ…行こうか」
真っ赤に染まる姫の手を取ると、俺は王が待つ部屋のドアを開けた…