*ハナコイ*


王に婚約の挨拶をすませると、そのまま俺と姫は会食パーティーに参加した。



どこにいても、美しい姫は目立っていた。



でも、何でだろう…



俺は今心から笑っているのか…



満たされない思いを抱きながら、俺はふらりと会場を抜け出し廊下を歩いた。



その時、ふと中庭が目にとまった。



「昨日来なかっただけなのに、随分懐かしいな…」



俺はゆっくり中庭を歩いた。



『王子…様?』



ここで初めてロゼアに会った…



『嫌な思いまでして、無理に結婚なんかしなくても…』



君は真っ直ぐに気持ちをぶつけてくれたね…
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